iPhone 内蔵の文字起こしは、AI の56%しか言葉を拾えなかった:接客の録音で比べた結果

iPhone 内蔵の文字起こし(Apple の SpeechTranscriber)と、クラウドの AI(Gemini)を、95分の接客の録音で比べました。内蔵は30秒で終わる一方、拾えた文字は AI の56%で、お客様の声が抜けていました。方式を選べる作りにした経緯です。

「iPhone 内蔵の文字起こしは AI の56%」の文字

iPhone 内蔵の文字起こし(Apple の SpeechTranscriber)は、速くて費用もかかりませんが、実際の接客の録音では、クラウドの AI(Google の Gemini)の56%しか言葉を拾えませんでした。95分の録音を30秒で文字にできた一方、お客様の声が抜けていたので、私たちは内蔵への一本化をやめ、どちらかを選べる作りにしました。

接客の録音アプリ(TalkLens)では、録音した会話を文字に起こしてから、AI が採点します。文字起こしには、iPhone の中で動く音声認識と、クラウドの AI(Google の Gemini)の2つの方法があります。

私たちは一度、文字起こしを iPhone 内蔵に一本化し、クラウドの AI をやめる方針にしました。費用がかからず、速いからです。ところが、実際の接客の録音で2つを比べると、内蔵は AI の56%しか言葉を拾えていませんでした。そこで方針を改め、どちらかを選べる作りにしました。

SpeechTranscriber と Gemini を、同じ録音で比べた

比べたのは、実際の接客を録音した95分の音声です。同じファイルを、iPhone 内蔵の音声認識(Apple の SpeechTranscriber)と、クラウドの AI の両方にかけ、結果を突き合わせました。測ったのは2026年9月13日、iOS 26.6.2 です。

色のついた木の台に置かれた、金色の天秤の写真
同じ録音で、2つの方式を比べた(イメージ写真)
発話の文字数は、AI が25,416字、iPhone 内蔵が14,239字で56%。発言の区切りの数は、AI が1,819、内蔵が448で25%。内蔵は、お客様の発言が213秒にわたって丸ごと抜けていた
同じ95分の録音での比較(2026年9月13日、iOS 26.6.2)
比べたもの iPhone 内蔵 AI(クラウド) 内蔵 ÷ AI
発話の文字数 14,239字 25,416字 56%
発言の区切りの数 448 1,819 25%
処理にかかった時間 30秒 分単位 —
話している人の区別 なし あり —

速さは、内蔵が圧倒的でした。95分の録音を30秒で文字にしています。けれども、拾えた言葉の量は、AI の半分ほどでした。

抜けていたのは、お客様の声だった

ただ文字の量が少ないだけなら、細かい言葉の取りこぼしかもしれません。調べると、問題はもっと大きなものでした。

原因は、マイクとの距離だと考えています。録音する iPhone はスタッフが身につけているので、スタッフの声は近く、お客様の声は遠くなります。iPhone 内蔵の音声認識は、自信の無い音声を、エラーを出さずに捨ててしまいます。遠いお客様の声ほど、捨てられやすかったのです。

95分の録音の比較。AI は25,416字、iPhone 内蔵は14,239字。内蔵は17分42秒から213秒の間、お客様の発言が丸ごと抜けている
内蔵では、お客様の発言が213秒にわたって抜けた

方式を選べる作りにした

この結果を受けて、文字起こしを「iPhone 内蔵」と「AI」から選べる作りにしました。

ミキサーのつまみが並んだ写真
方式は、つまみを切り替えるように選べる作りにした(イメージ写真)

店舗ごとに設定できるようにしたのは、店舗によっては内蔵で問題ないからです。スタッフとお客様の近くにマイクを置ける店舗なら、内蔵でもお客様の声を拾いやすくなります。逆に、マイクを置けない店舗は、AI を選ぶ想定です。

文字起こしの方法を選ぶ画面の再現。iPhone 内蔵と AI から選べ、プランによって最初に選ばれる方法が違う
方法を選べる画面のイメージ

同じ録音で、測り続ける

iPhone の音声認識は、iOS の更新で中身が変わることがあります。その改善は、公式の更新のお知らせに載らないこともあります。内蔵で十分になったなら、費用のかかる AI を使う理由は減ります。

iOS の更新で音声認識の中身が変わることがあるため、更新のたびに同じ95分の録音で測り直し、文字の量だけでなく17分42秒からの213秒が埋まったかを必ず確かめる
別の録音に変えると、良くなった理由が分からなくなる

そこで、測定の記録を残すファイルを作り、iOS が更新されるたびに、同じ95分の録音で測り直すことにしました。別の録音に変えると、良くなったのが音声認識のせいなのか、録音の違いなのか、分からなくなるからです。次に測る時は、文字の量だけでなく、17分42秒からの213秒が埋まったかを必ず確かめます。文字の量だけ増えても、同じところが抜けたままなら、問題は解決していません。

AI の費用が高かったことと、料金の設計を見直した話は、こちらに書きました。

「AI の費用が月1万円を超えた」の文字と、文字起こし・無料の枠・広告・Web で課金の札アプリ開発AI の文字起こし代が月1万円を超えて、アプリの料金の設計を見直した接客の録音を Gemini(Google の AI)で文字起こし・採点する仕組みは、AI の費用が月1万円を超えていました。原因は音声をそのまま送っていたこと(音声1秒あたり約32トークン)。文字起こしを iPhone の中に移し、無料の枠と広告、課金の方法まで見直した記録です。

まとめ

iPhone 内蔵の文字起こしは、AI の56%しか言葉を拾えなかった:接客の録音で比べた結果:要点のまとめ。iPhone 内蔵の文字起こしは、接客の録音では AI の56%しか言葉を拾えなかった
この記事の要点
  • iPhone 内蔵の文字起こしは、接客の録音では AI の56%しか言葉を拾えなかった
  • 抜けていたのは、マイクから遠いお客様の声で、エラーも出なかった
  • 方式を選べる作りにし、無料は内蔵、有料は AI を既定にした。店舗ごとに設定でき、前回の選択を覚える
  • 同じ録音で測り続け、内蔵で足りるようになったかを確かめる

この記事は、AI(Claude)の支援を受けて作成し、筆者が内容を確認しています。

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